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「お慕いしております」
告げた言葉にぽかんとして
それから少し、慌てて
うれしい、と、呟くように言ってくれた彼の人の笑顔は
この世の何よりいとおしむべき私の宝だったのです



名を呼び、触れて、
微笑んで、抱きしめて、
それが私の
すべてで
今はただ
その時が永遠になるようにと願うばかりでございます







ガイラルディア









「…条件が、あります」
「条件…ですか?」
「お互いに、敬語はやめましょう。それから俺の事も、呼び捨ててください。これを約束していただけるなら」
「それは…」
「できないなんて言わないでください。貴方は、俺の肩書きを愛してくれた訳ではないんでしょう?」
「それは勿論です! 私は!……私は」
「………」
「……貴方が、好きだ……
ガイラルディア」
「……アスラン」

「俺も、好き」

うれしい。









呟くように




言ってくれた




彼の人の笑顔は




この世の何よりいとおしむべき私の宝だったのです





貴方の声と温かさと
貴方への想いにだけ包まれて
瞳を閉じる事がこんなにも
幸福だとは知らなかった





愛しているよ
ガイラルディア





今は背を向けて進まなくてはならずとも



いつか





また

曇りのないこの世界で

にじむような貴方の笑顔に
出会える事を祈っています


















「癖が」
「抜けない?」
「拗ねないで」
「嘘吐き」
「ガイラルディア」
「いつも二番目だ!」
「ごめんなさい」
「知らない」
「待って」
「言い寄るのか」
「違う


愛しているんだ」





「…………そんなの知ってるよ

ずっと―――ずっと昔から」







end

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