読み物

□ブレイク珈琲タイム
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アカデミアの陽気な昼下がり。

海の上で一人コーヒーの匂いと戯れてるあいつって。

「もしかしてヒマ人?」




ブレイク珈琲タイム






「プロに向かってヒマ人とはご挨拶だな、十代」
「いやだって忙しかったらここにいないだろ?」
「プロだって人間だ、疲れたら休むさ。休暇と言えばゆったり南国リゾート。アカデミアの温暖な気候はまさにそれさ」
「学生はタダだもんな!」
「……」
「じゃあ何で南国でホットコーヒー?」
「暖かい所で熱いコーヒーを飲んだらダメな決まりでもあるのか?皆寒い冬にだってアイスを食べるだろう」
「あー…アレって何でだろうな。一種の贅沢?
あ!じゃあエドは今贅沢してるんだな!」
「贅沢じゃなくて休暇だ」
「…ん?じゃあ冬にアイスを食べるのは休暇?」
「…このバカが」

「そのコーヒー俺にもくれよ」
「…勝手に煎れて飲め」
「分かった!」


「…(ちょっと不安になってきた)」

「おーい、エドー」
「…なん…!?じゅ、十代なんだそれは!!」
「へ?コーヒーだけど」
「(コーヒー豆が…浮いてる…)…このバカが!豆を直接入れる奴がいるか!」
「ここにいまーす…いやだってさ、豆しかないじゃん!扉開けたら豆ばっかりでさ!なんかこのまま飲みつつ食べる物なのかと錯覚」
「普通はしない。絶対しない。コーヒー豆は挽く物だという事ぐらい理解してからコーヒーを飲みたいと言え!」
「俺インスタント以外飲んだ事無いから…」
「(庶民め…)仕方ない、今日はプロのコーヒーを特別に飲ませてやる」
「あ、砂糖とミルクある?」
「男は黙ってブラックだ」
「…(年下だよなこいつ)」




「苦っ!!!」

「…で?」

「…はい?」

「プロのコーヒーを飲んだ感想はそれだけか?」
「うーん…うわっ!!やっぱすげー苦っっ!!!」

「…で?」

「…えーっと、なんかいつも飲むコーヒーと違う気がする」
「…適当に言ってるんじゃないだろうな」
「違うって!なんかこう…」

「…」

「あー、エドの味?」
「気持ちの悪い事を言うな」
「エドってスゲェ苦いな」
「(こいつに感想を求めた自分が愚かだった)」

「でもまぁ、たまには苦いのも良いな」
「…分かったフリは見苦しいぞ」
「違うって。そんなんじゃなくてさ」


「なんだかエドに近付けた気がしてさ」



「…」






この後エドにコーヒーを5杯ほど飲まされました。







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