パラレル部屋

□夢みるアンドロイド
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「え?!『コンラート』を御所望なんですか?!」

「嫁さん?!美子さん?!わかってる?今日はゆーちゃんのお世話をしてくれるアンドロイドを探しに来たんだよ?
アイドルを探しに来たわけじゃないんだよ?」

研究所の所員&旦那の驚きの声に美子は人差し指を一本立てて微笑んだ。

「わかってるわよ?カチウマくん♪
今日は私達が仕事でいなくてもゆーちゃんのお世話をしてくれるような乳母(ナニーロイド)を探しに来たのよ?
ほら・・・見てよ・・・・ゆーちゃん『彼』の腕に抱っこされて眠っちゃったのよ?」


確かに・・・・美子の背後で無表情のまま立ち尽くしている『コンラート』の腕の中に・・・
可愛らしいわが子が安心しきったような表情を浮かべすやすや眠っているのをカチウマ・・・もとい勝馬も見た。

「なんで・・・よりにもよってそんな『セクシャル系』なアンドロイドに懐いてるんだ?!ユーリは・・・・
このアンドロイドはそういった特技でも持ち合わせてるんですか?
例えば子赤ん坊に懐かれるようなフェロモンを撒き散らしているとか・・・・・??」
・・・・どうみても女性を引き寄せるようなフェロモンを撒き散らしてるようには見えるが・・・・
子供に懐かれそうな様相をしているようには思えない・・・


勝馬が振り返ると・・・・研究所の職員が信じられないものでも見た・・・とでも言いたげにあんぐりと口を開けている。

「あの・・・・?」
思わず顔を覗きこんだ勝馬に職員の身体が跳ね上がる。

「す・・すみません!いや・・・・少々驚きまして・・・
そのアンドロイドは本来そういった子供等をあやすような機能を持ち合わせてはいないので・・・・」

「え?じゃ・・・あの『彼』の特技は?」

「えっと・・・・まぁ・・・・・あえて言うなら・・・・『たらし』?・・・とでもいいましょうか・・・・・
女性の相手をするように作られてるアンドロイド・・・
すなわちセクサロイドというやつなので・・・はぁ・・・」

頭を掻きつつ、実に言いにくそうに濁す職員の言葉に勝馬の口はあんぐりと開いたままになった。


「だめぇ!!だめだめだめったらだめ!!
そんな『タラシ』なアンドロイドに我が家の敷居を跨がせません!!!」

「あら?そんなことをいうけど・・・この状況でもそれが言える?カチウマ君」

そういうとやわら・・・・美子は『コンラート』の腕の中からユーリを抱き取った

とたん・・・・・

ンギャァ〜〜〜〜〜〜!!!

それこそ耳をつんざくようなユーリの泣き声が辺りにこだまする。

とたん・・・・無表情のままの『コンラート』の腕が伸びてきて・・・・

その腕の中にユーリがすっぽりと納まると・・・
とたんにユーリの泣き声が止まったのだ。


目が点・・・と言った表情の勝馬に対し、にっこりと笑った美子が職員の方を向き直った。


「『彼』を我が家に連れて行きますわ♪



ところで・・・・・お値段の方はお勉強していただけるんですよね??」



こうして『コンラート』はユーリの家・・・・渋谷家で生活することになった。

・・・・・・乳母(ナニー)として・・・・・・




2007/07/01〜2007/07/12公開
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