パラレル部屋
□今日から「マ」のつく仔猫日記
3ページ/46ページ
これはいったいなんなんだ?
何度切りかかろうとも敵は全く意に返す様子はない。
怯えた様な小賢しそうにニヤつく男の言ったことはとりあえず真実だった・・・
森に足を進めさほど時が経つまでもなく、男は巨大な魔物に襲い掛かられたのだ。
巨大な・・・そして真っ黒な魔物に長身な男も一瞬呆然と仰ぎ見てしまうほどの巨大さ。
ハッと我に返った男は剣を握り締めなおし体勢を取った。
鋭い剣に切っ先が何度も魔物に襲い掛かる。
が、男は困惑していた。
確かに何度も手ごたえを感じているはず・・・なのにこの空虚感はなんなんだ?
それにこれほどの大きさを誇る魔物でありながら何故自分に対したいした攻撃を仕掛けては来ないのだ?
確かに強大な魔力を放出し辺りの空気をなぎ払ってはいるが・・・
男自身にはさほど傷をつけようとはしない。
むしろ・・・
男の存在に怯えなんとか男をここから立ち去らせようと仕掛けている・・・・ような気がする。
そのときだった
魔物が起こした突風が男を襲った。
風ごと身体を持ち上げられそのまま背後の樹に叩きつけられる形でしこたま身体を打ちつけた。
だが・・・大して致命傷になるほどの傷には成らなかったのだが・・・
樹に叩きつけられ地に蹲った男を見て魔物がたじろいだ。
怯えたように身を縮めた・・・かと思うと急速にその身が小さくなってゆく・・・・・・。
「?!」
驚く男の目の前に漆黒の小さな生き物が現われた
2007/11/29〜2007/12/07