気まぐれな彼女
□気まぐれな彼女3
4ページ/13ページ
翌朝、氷室はいつも通りにドアの鍵を閉めてから、璃乃が出てくるのを待っていた。
が、いつもより遅い。
5分程待っていたが、とうとうチャイムを押した。
「おい、遅いぞ」
制服姿の璃乃が出てきたが、顔色が余り良くない。
「どうした。腹でも下したのか」
「全く何で氷室はいつもそう…ごめん氷室、今日からは一緒に学校行くのよそう」
彼は一瞬、自分の耳を疑った。
何…?
「何で」
「何でもない。私、今日は学校休むね。…じゃあ」
と言ってドアを素早く閉めてしまった。
もう一度チャイムを押そうかと思ったが、時間も無かったので、電車の中からメールを打った。
『体調崩したのか』
………返信無し。
『何かあったのか』
………返信無し。
流石の氷室も、昨日の事もあり、苛ついてきた。
いきなり一緒に登校出来なくなったって、どういう事だよ?
制服にまで着替えてたくせに。
メールの返事もねーし。
っていうか、昨日のメールは誰だ?
氷室に届いたメールは、『死ね』の2文字を永遠に羅列されたものだった。
ドメイン指定にしたからメールは来なくなったが、パソコンから送られてきた物だと、アドレスから分かった。
あー、うざい。
俺も学校休んじまおうか。
…とか何とか思っている内に、高校の最寄り駅についてしまった。
仕様が無いな。