気まぐれな彼女

□気まぐれな彼女3
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3人で夕飯を作って、食べる。

簡単ですぐに作れるもの、ということでグラタンとサラダになった。

「氷室、これスライサー並みに薄く切って」

とキュウリを渡した。

すると真記子が

「え、これはもうちょっと厚い方が美味しいんじゃ…」

と呟く。

「氷室の場合、それ以上になるからいいの」

とホワイトクリームを作っている璃乃がこっそりと囁く。

おいおいお二人さん、聞えてるんですけど。

しかし璃乃の言った通り、実際に自分が切ったキュウリはとても薄切りと呼べる様な代物ではなかったので何も言えない。








プルルル…と自宅の電話が鳴った。

皆がハッとする。

「沢村さんが出ろ」と氷室が言った。

「もしもし」

プツン。

ツーッ、ツーッ、ツーッ…。


「切れちゃった」


それから少し経って又、無言電話があった。


「こういう時は…」

氷室がFAXと子機の電話線を外した。

「普段、余り使ってないんだろう?」

と彼が聞くと、

「うん」

と璃乃が答える。





夕食は皆、暗い雰囲気で黙々と食べた。

食器洗いをし終わった氷室が帰っていくと、

「氷室君、すごく頼りになるじゃん」

と真記子が言う。


「うん。意外な一面を見たよ」


氷室、結構カッコイイじゃん。

真記子にパジャマと、新しい下着を渡して、和室に布団を2枚敷いた。

「先にお湯、借りるね」

「どうぞどうぞ」

私にあんな事をしそうな人…思い当たりが無いでもない。

今日一日、ずっと考え続けてきたのだ。

二人とも風呂に入り終わると、布団の上に座り込む。

「うわ〜、久し振りだなリノんち泊まるの。あの時はご家族もいらしたよね。弟君元気?可愛かったなー」

真記子が久し振りの宿泊にワクワクした様子で言う。



「あのね、マキコ。思い当たる人が居るんだけど…。あ、まだ分かんないよ!でも…」


真記子の目の色がガラリと変わる。

「誰っ!?」








「………田中君」
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