今吉×青峰
□お揃いのミサンガ
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一年の夏、インターハイが終わった。
クソつまんなかった、高校最初のインターハイ。
インターハイなら多少は強えやつがいる。
それに少しの期待をしてたっつーのに、俺は最後は出ることなく終わった。
なんて呆気ない夏
すんげえ苦い、苦い夏。
そして今、それと同じくらい苦い思いをしている。
「たまには練習に顔出すからな、青峰」
こいつは、何だっていつもと同じ表情でいられるんだ。
もう二度と同じチームでバスケができないって言うのに。
「ふんっ、じゅけんせーなんだろ、いいって、別に」
「そうふてくされんなや」
眼鏡が俺の頭に手を置く。
たまにこいつがやる、これ。
実はけっこう気にいってたんだ。
「もううちのバスケ部と関係ねえだろ。もうOBだし現役に口出すんじゃねえよ」
「はは、ずいぶんな言われようやな。そないにワシがいなくなって寂しいんか?」
「っ……!」
いつの間にか俯いていた顔を思いっきり上げた。
同時に頭に乗っていた手を払いのける。
「ふざけんな、ただ口出しすんなって言ってんだ!」
「……すまんのう、青峰」
「はっ!?」
ふと、眼鏡がトーンを落として言った。
「最後、試合出させられんくて」
「っ……」
「もっと早くにワシが気付いてやれば良かった。ほんま、申し訳ないと思っとる」
何だよ、何でこんな時に、そんな顔するんだよ。
意味分かんねえ。