クモたち+α
□七夕
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あなたに会いたい。星が流れるように輝いている真夜中。もう日付は変わったよ?
今日は待ちに待った七夕。織姫と彦星が一年に一度だけ逢う日だ。
あたしとあなたが逢うのも、ちょうど一年ぶりくらい。音信不通だった中、いきなりのあなたからの連絡、驚いた。
嫌われたのかと思ってたけど、忙しかっただけだったんだね。
『ハンター試験』
聞いたこのある、すごく大変な試験。キルアはすぐに合格したらしいし、怪我もないみたいで良かった。
キルア、まだかな。約束の時間、日付が変わってだいぶ時間が…って、腕時計をみたらまだ五分しか経っていない。いつからこんなに気が短くなったんだろう。待つのは苦手じゃないのにな。
あぁ。早くあなたに会いたい。心臓がドキドキしてるよ。押さえきれないこの気持ちはどうしたらいいだろう。
目を瞑ってあなたの気配を感じるため集中してみても、来るんだか来ないんだか正直良く分からない。気まぐれだから、もしかしたら来ないかも。
あなたが喜ぶと思って、チョコロボ君をたくさん用意したのに、来てくれなかったら悲しいよ。
「名無しさん――」
突然後ろから声がしたため振り向けば、笑顔のあなたがいた。
「キルアっ!」
きっとあたしはこれまでにない幸せそうな顔をしているだろう。思い切りあなたに抱きついた。
「うわっ」
「キル〜久しぶりっ、逢いたかったよぉ」
あなたをきつく抱きしめれば、あなたはあたしをきつくきつく抱きしめ返してくれた。懐かしい、あなたの声、感触、匂い――。