クモたち+α

□報い
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月があたしをあざ笑う 星があたしをあざ笑う

今までしてきたことを報いろと言わんばかりに。



あたしは雑草の生い茂っている中に一人、寝転んで夜の空を見ていた。

月達はあたしの、今はもう醜いと感じる体を煌々と照らす。




ウボォーが死んだ。鎖野郎に殺された。

「死んだ奴は星になる」

団長が言った、非科学的な言葉。あたしは信じない。

「きっと見守ってる」

それに加えて励ましの言葉。そんな同情いらないんだよ。



空は月たちで明るくても、あたしの周りは暗い。背の高い草たちで体が黒く見える。



あたしはウボォーが死んでから、旅団の仕事に参加していない。









もしウボォーが星になったとしたなら

あたしも星になりたい。




だから

行動しよう


あたしは躊躇うことなく死を選んだ。あなたの側に行くことを決めた。

待っててね、ウボォー。今すぐそっちに行くから。
あなたが寂しくないように、今すぐそっちに行くから。

みんなは連れて行けないよ。あたしだけじゃ不満かな?


今から会いに行くから。すぐ会いに行くから―――。







―――――――――――――――――――弱い私をヒロインと重ねて書きました。

死に耐えられない、この子。決まった狭いところでしか生きていなかった“彼女”は、悲しみを回避することも吸収することもできない。人と触れ合うことが少ないというのは、罪になる。

自分が今までやってきたこと。罪の意識はある。

結果、彼女は自ら命を落とすこととなりますが、その過程を見て欲しいです。

励ます相手の気持ちは届かず。死んでも楽になる確信なんてない。彼女は弱い。けれど弱いの一言で済ます問題じゃない。

気持ちが伝わらないというのは死と同じくらいに苦しい。

仲間が大切だから彼女は死を選んだ。
仲間が大切だから彼は彼女を励ました。

仲間が大切だから彼はみんなのために死んだ。

3つの気持ちは一緒になることはなかった?

うまくいかないな。

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