ノブナガ

□思考少女
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時々、個人の思考があまりに無意味なものだと思うことがある。

例えば、マイナス思考なあたしが何かにチャレンジしようとしたとする。
その時あたしが考えることと言えば、『失敗したらどうしよう』『やっぱりやめようかな』だ。
ぐずぐずするうちに結局はやらざるを得なくなりああなったらどうしようとか永遠と脈略なく不安と戦う。

しかしいざ飛び込んでみれば、あたしの頭の中なんかじゃ収まりきらないほどの出来事が起きる。予想していたいないに関わらず、本当にたくさんのことが起きて、時間が経てば『ああなんであんなこと心配していたんだろう』とバカらしくなる。

まあ今の状況に比べたらこんな例は比じゃない。

今、どんなことで“あまりにも無意味”に思えたかって、まずこうして幻影旅団に入団したことがきっかけだ。

「お前さー、年いくつよ?」

「はたち…です……」

個人の仕事で面識のあったクロロに、欠員が出たからという理由で通称クモに入団した。
ああついにあたしもここまで手を出してしまったかと、入団が決まった時に頭でぼんやり思いながらも、クモという集団について考えた。

「じゃあタバコ吸えんな。どうよ一本」

「あ、いえ……タバコ苦手なので…」

流星街の出身者が多いってクロロから聞いて、流星街といえば仲間意識が強いことも良く知られている。

だから初めてこの仮宿に来てメンバーに挨拶をする時も、みんなさぞかし仲良しなんだろうと早くなじめる気がしてた。

なのに。

なのに、みんな単独行動がすごい。いきなり取っ組み合いのケンカを始める人達や一人でパソコンやってる人、化粧を直したり本を読んでる子もいて、もっとみんなで和気あいあいって感じだと思って安心してたのに、絡みづらいったらありゃしない。

仮宿に着く前は早くみんなと仲良くなれるだろうとけっこうルンルンだったのに、出鼻をくじかれた気分だった。


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