ノブナガ

□安息の居場所
1ページ/3ページ

ノブナガに部屋に招かれたのをいいことに、私はソファーに座ると隣にいるノブナガに寄り添った。

「何だよ、今日すげえ甘えてんな」

「……そう?」

「普段は自分からくっついて来たりしないだろ」

「う〜ん、だめ?」

「いや、全然」

ノブナガの体に寄りかかるようにしていると、ノブナガは私の肩を抱いた。

彼の言う通り、いつもは自分からこんなことはしない。 しなくてもノブナガからして来てくれるっていうのもあるし、何より照れ臭いからだ。
今日は特別何かあったわけじゃない。ただ何となく、こうしたかっただけだ。

「そういえば、何か用だった?」

髪に指を絡ませてくるノブナガに聞いた。

「特にねえなあ…。ただ呼んだだけ。暇だったしな」

「そう」

私があっさり答えると、ノブナガが髪をいじっていた指で私の顎を掴んだ。

「少しはガッカリしろよ」

「……なんで?」

「『お前に会いたかったから』とか言われたくねえの?お前」

「ぷっ!」

私が吹き出して笑うと、ノブナガは何がおかしいんだよ!と言って慌てていた。 分かりやすい。ノブナガの方が女の子みたいだ。

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ