ノブナガ

□俺だけが知ってるベッドの中のお前
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「あーもー分かれよこのバカ!!」

「分かんないよ!みんな友達っ!みんないい子なの!」

「だからそいつらは友達の前に男だろうがっ!」

「男でも友達は友達だもんっ、あんた脳みそ腐ってるんじゃないの!?」

「あんだとこの野郎!!ぶっ殺すぞ!!」


名無しさんを怒鳴りつけて1時間、そして名無しさんに怒鳴りつけられて1時間が経つ。

こいつが最近よくどっかに遊びに行ってるみたいだから、誰とどこに行ってるか聞いたら「男友達とドライブ」ってあっさり答えやがった。んで俺が男なんかともう行くなって言ったら、名無しさんの言い分はこうだった。

『友達に男女の差はない、女友達でバイクとか車も持ってる子いない』

マジざけんなよ。後半はまあ分かるが、遊びに行く時間帯は夜だぞ夜。明らかにやましい時間帯じゃねえか。

おかしいとは思ってたんだよ。
前までは女友達と遊びに行くとぷりくら撮ってきたり、その日の話を聞かされたりしていた。
だが最近はそれもなくて、「ただいま〜楽しかった〜」の一言だった。

こいつに限ってそんなことはないだろう、浮気―――。今はそれすら俺の脳裏を横切る。例え名無しさんに友達以外の感情がなくても、男共はどう思ってるか分かんねえし。

それをさっきから言ってるのにこいつは俺に逆ギレしてくるんだ。

「いいか。もういっぺんそいつらと遊び行ってみろ。マジでぶっ殺すかんな」

「はあ!?だからなんでそんなこと言われないといけないの!?てかもう行く時間なんだけど」

「ああん!?ああもうダメ。お前本気でダメ!」

俺は部屋の鍵と、部屋中の窓を閉めた。

「…ちょっと、何してんの…」

「この部屋から出さねえ」

「はああ!?」

「ぜってえ出さねえからな」

名無しさんは呆れ顔に加え眉を中心に寄せるとドアに向かい、部屋の外へ出ようとした。ズカズカと歩いていく名無しさんの背中は無言で、明らかに怒っていた。


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