ノブナガ

□寝覚月
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「あーあ、参ったな……こんな時に自分の女泣かせちまうなんて」

「ほんとだよっ……バカっ」

「って!いちいち念込めんな」

脇腹に拳を入れて、私は再びノブナガの腕の中で泣いた。

早くお宝を手に入れて、早く動きたい。

ウボォーに「待っててね」と心の中で強く思った。

「はぁー……。タバコはいいや。戻るか」

少し吹っ切れたようなノブナガの声に、私は涙を拭きながら顔を上げた。

「タバコ、いいの……?」

「ああ。今はいらね。一件落ち着くまで、禁煙だ。ほれ、戻るぞ」

背中をポンっと叩かれる。

それに元気を入れてもらった気がして、私は大きく「うんっ!」と頷いた。


雨はまだ上がらない。

だけど私たちは、土砂降りの中を傘もささずに借宿へ引き返した。

仲間のところへ戻って、さっそく作戦会議だ。


「あとからウボォーの捜索、クロロに提案してみようね」

「もち!」

ニッと笑ったノブナガの顔は、とても晴々しかった。




名無しさん「ただいまー!」

フィン「お、早かったな……ってお前らどうしたんだよ、その格好」

名無しさん「へへっ」

フェイ「ノブナガに至っては肩と背中、服破けてるよ」

ノ ブ「ま、まあな……」

名無しさん「クロロ、早く作戦会議しよう!」

クロロ「そうだな。それでは班を決める。来週はこの班を中心に、個人行動は絶対に控えること――……」


それゆけ!幻影旅団!


ちなみに、寝覚月(ねざめつき)は長月の別名です。単にそのままの意味で“眠りから覚める”という意味ではなくて、
寝→ウボォー、覚→新たなスタート、という意味でこの作品にぴったりな解釈ができるタイトルを付けることができました。

いまだにウボォーの死から気持ちの切り替えしができない私でした。
そんな未練タラタラな作品が私のサイト内にあちこちありますね(笑)!



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