クモたち+α
□七夕
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「俺もだぜ。ずっと連絡できなくてごめんな?」
「ううん、今日会えたからいいの。キル、大好き」
「うん。名無しさん……、顔見せて。ほんとに久しぶりだな…」
「あたしも……。キルアの顔良くみたい」
あたしはあなたからちょっと体を離して、自然と微笑みあなたを見た。あなたは相変わらず可愛い顔してた。それに、元気そうでなりよりだ。
「キル…」
「ごめんな、待たせて」
「ううん、平気」
しばらく見つめ合いセミが鳴く中、一年の隙間を埋めるように深くキスをした。キルアの唇も、すごく久しぶり。すべてが満たされていくようなそのキスに、時間が止まればいいのにと思った。
あたしとあなたは本物の織姫と彦星のようだね。
こんなに愛し合っていて、こんなに幸せで。一年の壁なんて全然問題じゃない…と言いたい所だけど、実際寂しかった。
でも今こうしてまたあなたと出会えた。それだけで幸せだから。
だけど『また一年後に逢いましょう』じゃ、さすがにつらいから、これからは毎日逢いたいな。
『また逢いましょう』を『ずっと一緒にいましょう』にして。
「キル、はい。チョコロボ君一ヶ月分!」
「おっ、サンキュー名無しさん。じゃあせっかくだし、一緒に食べようぜ」
織姫と彦星は、ずっと一緒にいるべきなんだと思う。これからのあたしとあなたのように―…。
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キルアはある意味憧れの人。戦いのセンスの良さや己に満足しない向上心の高さに乾杯、完敗。
キルアが周りが言う本当の幸せを感じることができるようになるといい。そしてそれが、ずっと続くといい。