お題部屋

□100のお題
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思わず見とれてしまう満月の夜。




――――それだけじゃない。




私にとって、今日は特別な日。




大好きな日番谷くんと付き合い始めて最初の夜。









「ふふ……ふふふ」









思わず笑みがこぼれてしまう。




周りの人から見ると、どんなにか怪しいだろう。




それもそのはず、今日は日番谷くんが私を自転車で家まで送ってくれたのだ。




それはほんの二時間前のこと。




しかもその後、家の前で――――……。









『メルアド……教えてくれよ』









照れた顔をかくすようにそむける。




――――そんな日番谷くんの様子が、ずっとずっと頭にこびりついて。









(もぉー、私のバカバカッ!!)









それをかき消すようにして自分の頭をポカポカと殴った。




ブブブブブ……




ふと訪れた静寂に突然響くバイブレーション。









(来たっっ!!)









私はすかさず反応すると机の上の携帯を手に取り、急いでベッドにとびのる。




メール画面を開くまでの数秒間がとてももどかしかった。









『よぉ、遅くなって悪かったな。…今何してんだ?』









そんな内容のメールを見たとたん、私の顔が赤に染める。




なんともなく気恥ずかしくなって、足をジタバタさせながら枕に顔をうずめた。








『満月を眺めながら考え事。……日番谷くんは?』









もともと器用でない私がこんなにも早くメールを打てるのか!!と思う程のスピードでボタンを押す。




そして親指が少し送信ボタンの上をさまようも、意を決してポチリ。




そんな事が何度も繰り返される。




最初はささいな会話も、どんどん弾んでゆく。




そんなこんなで時は経ち……。









――――結局、気付けば真夜中の二時だった、なんて。




そんな恥ずかしいことは、誰にも言えない(笑)









END




→あとがき




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