短編

□君を恐怖から救い出す
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「………?」


朝。
夕闇高校へ登校している途中のスミオだったが、ふと何かの気配を感じ、振り返った。








「…………」



しかし、周りを見渡しても誰もいない。
スミオは少し眉を潜めて再び前を向いた。














(……気のせい、なのかな…)




そう。ここのところ、ずっとこんな事が続いている。
誰かに見られている気がする。つけられている気がする。


しかし、実際は誰もいなくて。




とくに何も起きることなく日々を送っている。












「……気のせい、だよな!きっと今までに大変な目に合い続けたから、神経が尖ってしまってるだけなのだ!」


些細な事にも反応してしまっている。
そう自分に言い聞かせ、学校へと急ぐスミオだった。























……その背後で、ニヤリと笑う人物がいたことにも気付かずに。





































「…スミオ?何か元気ねぇな。どうかした?」


「…えっ!?…い、いや別に、何にもないのだ!」




一日が終わり。
そろそろ下校時間が近付く。




気のせいだと思いつつも、帰ることに少し不安を抱いていたスミオだが、心配そうに声をかけてきたモトに慌てて手を振って微笑んだ。













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