Novel 〜vinegar mean〜
□01.―この街で―
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―東京・某所―
そこは異様な雰囲気につつまれていた
警察官が立ち並び、黄色い侵入禁止のテープが至る所にはりめぐらされている
それを囲むかのように、人々もまた群がっていた
そこに１台のパトカーが到着した
中から出てきたのは、いかにも刑事ドラマに出てくるようなベテランの貫禄を感じさせる警部と、まだ落ち着きのない新米の巡査部長であった
彼らはパトカーを降りると、人混みを掻きわけ立ち入り禁止の中へと入った
外を見張っていた警官に警察手帳を見せる
「警視庁捜査第一課の黒澤だ」
「同じく警視庁捜査第一課の河野です」
「おまちしておりました!!
現場は３階の奥の部屋です」
二人は敬礼をすると、建物の中に入っていった