Novel 〜vinegar mean〜
□02.―始動―
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部屋は会議室
それなりの広さはあるが、せいぜい5〜6人が入るのが限度
時刻は夜の12時を過ぎた頃
庁中に残っている人は少なく、廊下を歩く人も目立つほどだ
「10時までには一度返してっていったじゃない。課長にグチられるのは私なんだからね…………」
「わりぃわりぃ…………。」
霧崎は呆れた感じでため息をついた
「いくら上司の頼みでも、正式な許可無しで資料を見せるのは原則禁止。」
「お前は昔から、そういうところには細けぇな」
「まぁね」
クスリッと苦笑した霧崎
「ところで知ってる?」
「何をだ?」
「スイートピーよ」
「なんだそれ?歌のやつか?」
「本当に知らないの?『助言者』の事よ」
霧崎が不信な目で見つめると、黒澤は少し考え出した
「一課の奴らがそんな事を、話していた気もしなくねぇ」