Novel 〜vinegar mean〜

□02.―始動―
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「情報交換はどの世界でも必至よ。ちゃんと関わり持たなくちゃ。時代は複雑になっているんだからね、ゲンさん」



「うるせぇ。それで、なんなんだその………」



「スイートピー」



「そう、スイートピー」





最初に付けたタバコが切れ、新しい一本を箱から出して、火を付ける





「詳しい事はよくわからないんだけど、ここ近年、匿名で警視庁に送られてくる手紙やメールの相手の総称をそう呼んでいるの」



「犯罪組織なのか?」





黒澤の表情が少しこわばった



「それだったら、とっくに私達が動いているし、こんな可愛らしい名前なんて付けないわ」



「それじゃあ、なんなんだ」



「それがわかっていたら、最初からそれを話しているわよ」



「じゃあなんで、そんな事話に出したんだ」



「送られてくるものはみんな、調査が難航しているもの、迷宮入りしかけているもの、その他警察が手につけにくいものばかりなのよ。今回も、もしかしてくるかと思って話してみたの」










スイートピー



別名、助言者χ(カイ)と呼ばれている者は、ここ警視庁になんらかの手段を経て、事件に関する報告や助言をしてくる



それはどれも、警視庁では手にはいらないような、細やか、かつ核心的な要因を的確に突いている



実際その助言によって解決した事件も少なくなかった



その多くは行き詰まりしかかったもの、警察が手を出しにくかったもの、気には止めない日常的犯罪などだ



その回数を重ねるたび、その噂は広まり、いつの間にか、χを助言者と呼ぶようになった




だが、消息を掴めないため、男性なのか女性なのか、又複数なのか単独なのかそれさうもわからないそのため警視庁は何もする事は出来ないのだ
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