D灰
□思い出にさようなら。
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3月、某黒の教団高校卒業式での1コマ。
桜がまだ咲かない清々しい寒い日だった。
アレン、神田、ラビの三人は、用意されたパイプ椅子に腰掛けていた。
「始まりましたね、卒業式で最も退屈な時間、校長&PTAの話し・・・。」
真ん中に座るアレンが呟いた。
「あれは昼寝の時間さ〜。」
アレンの左隣にいるラビが訂正する。
「それもそうですね。見てくださいよ、ラビ。
神田なんかすでにスリーピングモードですよ。」
右隣にいる神田を見、アレンは呆れたように溜息を漏らした。
「本当さ〜。こうやって寝てると可愛いんだけどな・・・。」
「全くですね。」
「う゛〜〜〜〜・・・・・・・」
神田は眉間に皺を寄せ唸る。
「寝言まで言っちゃってますよ、神田。」
アレンはクスッと笑った。純粋に。
「うっ・・・・・・モヤシ・・・・・・・・・・・・」
「起きろよ、ポニーテール。」
前言撤回。コイツに純粋に微笑んだ僕がバカだった。
「しぃーーー!!!!仮にも、式の最中だぞ!!」
「なっ、何だ!?どうした!!?もうモヤシ炒めは食えんと言ってるだろう!!」
神田は目を覚ましたが、気分はまだ夢の中のようだ。
話がイマイチかみあわない。