おお振り (キモベ専用)
□三橋攻防戦
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「さあ、皆、準備はいいな・・・?」
「「「おう!」」」
「一つだけ言っておく」
――「死ぬな」よ。
全てのハジマリ、それは随分前にさかのぼる。
まだ桜が葉桜に変わる頃。
三星学園との練習試合からだ。
『投手としてじゃななくても、俺はお前が好きだよ!!』
阿部が三橋に放ったこの言葉だ。
それ以来、阿部は執拗に三橋に付き纏っている。
そして、西浦ナインたちは決意した。
――三橋を守ろう!!!と・・・。
もちろん、阿部と三橋はこの事を知らない。
主将の花井をはじめ、田島、泉、栄口、クソレ。などなど、まさに今、西浦高校野球部(約二名除く)は、一致団結していた。
「おい、まてよ」
水谷が不満そうな声を上げた。
「なんだ?水谷」
リーダーの花井が水谷に答える。