ねがいぼし
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「ぎんちゃ、ぎんちゃ…!ぎんちゃ、がいいよぉ!」
銀時が仕事に言ってから数時間程経つが、未だに空は泣きやめずにいる。
「空、お腹へってないかい?」
「しゅ、いて…ヒック…ない」
「後でお散歩に行きませんか?」
「…ヒック…ぎんちゃ、といくもん…うぅっ」
「美味イオ菓子ガアルケド、仕方ナイカラクレテヤルヨ」
「いっちごぎゅ、にゅーがいい…、うっ…うわあああん!ぎんちゃー!」
先程からずっとこの状態で、早くもお手上げの三人。
「…空。銀時はすぐ帰ってくるって言ってただろう。そろそろ泣き止んで昼ご飯でも食べようじゃないか。」
「ヒック…ってた…もん、」
「なんだい?」
「…ママも…いってた、もん!
空、いいこしてたら…すぐむかえくるって、ふぇっえ…でもこな、いもん…!」
ようやく、彼女がこんなに泣く理由が分かった。
再び大きな声で泣き出した空をお登勢は落ち着かせるように背中を撫でてやる。
「大丈夫さ、銀時は必ず帰ってくる。あのバカはねぇ、あんたの事が好きで好きで堪らないんだよ」
「ぎんちゃ…空のこと、きらいじゃない?」
「当たり前じゃないか。銀時だけじゃない、新八や神楽だってあんたのことが大好きなんだよ」
「ずっと…ヒック…いっしょいて、くれる…?」
「あぁ、もちろんだよ」
「ふっ…ふぇぇえっ、ぎんちゃ…あいた、い…」
「さぁ、もう泣くのはおよし。昼ご飯でも作ろうかねぇ」
泣いている空を、タマに預けるとお登勢は奥へと入っていった。
「ぎんちゃ、はやく…かえってくる…かな?」
「えぇ。帰ってくるまで、私達と一緒に待っていましょうね。」
「…ヒック…うん…」