ねがいぼし
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「ひぃぃぃ!す、すいませんでしたぁぁ!」
「分かったら、もう2度とこんなことすんじゃねぇぞ。」
「は、はいぃぃ!」
依頼者の雪乃との待ち合わせの場所に来てみれば、すぐ後ろに怪しい男。
そいつがすぐにストーカーだと分かった。
いつもなら少し時間をかけて、相手の行動を様子見するとこだが、今日はそんな時間はない。
泣いている空を置いてきたんだ。
早く帰って安心させてやらなければ。
「ありがとうございました!」
「いーってことよ」
「あんな弱い奴のために、万事屋が3人も出ることなかったネ」
「思ってたよりもすぐに終わったね。早く空ちゃんの所に戻ってあげなきゃ。」
「空ちゃん?」
雪乃が首をかしげる。
「3歳ぐらいの女の子なんですけど、僕たちが出て行く時に泣いちゃって…」
「まぁ、坂田さんにはお子さんがいらっしゃったんですね。」
「いや、俺の子じゃないけどね…って聞いてる?」
話題を振った雪乃本人は銀時の言葉など気にもせず、何やら鞄の中を探している
「あ、あった!」
「?」
「これ!」
はい、と手渡されたのは4つの飴玉。
「これ、その空ちゃんにあげてください。パパを借りちゃったお礼です。」
「や、パパじゃな…ま、いっか。…ありがとよ。」
「じゃあ、私はこれで。本当にありがとうございました。」
お礼を言って立ち去る雪乃を見送ると、銀時達も歩き出す。
「空、まだ泣いてたら可哀想ネ。銀ちゃん、急ぐアルヨ!」
「あぁ。早くこれ、渡してやんねーとな」
「空ちゃん、きっと喜びますね。」