ねがいぼし

□きみはスター
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今日は七夕だから
そう言って下のババァが笹の葉をくれた。

空がいなかったらきっと貰えなかっただろう笹の葉を見つめる。
いや、その前に空がいなかったらこんな行事、気にもとめていなかった。
7月7日なんていつもと変わらない日常に埋もれていたに違いない。




「うわっ!こんな大きいのくれたんですね」

「ババァ張り切ったアルナ」

「しゅごーい!ぎんちゃ、このはっぱなあに?」


部屋から新八と神楽、そして笹の葉を見て目を輝かせる空が出てきた。


「今日は七夕だからな、短冊書いてかざるぞ」

「たばなた?」

「たーなーばーた」

「たば、ばた?」

「…まぁそんなとこだ。」

「お空にいる織り姫様と彦星様は1年に1度、七夕の日に会えるんだよ。」


新八が空に分かりやすいように説明をする。


「そっかぁ!じゃあきっとうれしいねー!」

「空、ここにお願い事書くヨロシ」


そう言って神楽は折り紙で作った短冊を空に渡した。


「おねがいごと?」

「短冊にお願い事書いて笹の葉に飾ると、願いが叶うアル」

「空は何がいいんだ?」

「おねがいごと…」

「やってみたいこととか、なりたいものでもいいんだよ」

「んーっとんーっと…」


何やら真剣に悩んでいると、思いついたのかあっ!と声を上げた。


「えっとね、空きめた!」

「なんだ?」




「ハムがいっぱいたべたい!」




「ハム…?」

「なんでハム?」

「空ハムしゅきっ!サンドイッチのがしゅきなの」


キラキラと目を輝かせて言う空に新八と神楽は哀れみの目を向ける。


「銀さん…ハム買ってあげてください」

「お願いヨ、銀ちゃん。私空の為なら酢昆布も我慢するネ」

「いやいやいや、いくら万事屋が儲からねぇからって、空の食費削ったことないから。なにその俺が満足に飯食わせてねぇみたいな流れ!ハムぐらいいつでも買えるからね!なんなら今から買ってこようか?!」


「良かったな空!ハム食べられるヨ!」

「ぎんちゃ、空のおねがいごとかなえてくれてありやと!ぎんちゃ、空のおほししゃまね!」


ぎゅっと抱きついてくる空の頭を優しく撫でる。


「なにときめいてんですか」

「気持ち悪いネ。星は星でも鼻くそ程のちっちゃい星アルヨ」

「うるせー黙れ」




きみはスター




「で?短冊には何書くんだ?」

「空ね、きりんさんになりたい!
…あ、でもチョコパンマンにもなりたい!チョコパーンチでバイキンやっちゅける!」






『きりんさんになって、そしてチョコパンマンになりたい  空』


『毎日酢昆布!  神楽』

『お通ちゃんと…付き合えますように  死ねダメガネ』




『空が毎日笑っていられますように  銀時』



みんなの願いが届きますように




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