ねがいぼし
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「………え?」
朝目が覚めると隣には知らない子どもが気持ちよさそうに眠っていた。
おい、何だこの可愛い生き物。俺連れてきた覚えねーよ。つーか昨日は飲みに行ってねぇし、普通に寝たし、過ちはおかしてないはず…
「…う」
目をこすり女の子が目を覚ました。
まだ寝ぼけているのか、ぼーっと俺の顔を見つめている。
「ふわふわ…」
「え?開口一番で天パの話?」
ゆっくりと体を起こし、俺の髪の毛を触り、また「ふわふわ」と呟く。
「あの、誰?」
「…空」
髪の毛を触る手を止め、質問に答える。
「どっから入ってきたんだ?」
「どこぉ?」
本人も分かっていないのか、やっと自分が知らない場所にいることに気付き、不安そうに辺りを見回す。
「どうやってここまで来たんだ?」
泣きそうになっている空を抱き上げる。
「おへやでねんねちてた…」
訳が分からない。
よく見ると着物も珍しい物を着ている。
天人か?
「母親はどーした?」
「ママいないけど、せんせーがいりゅ。みんなもいりゅよ。」
施設育ちだろうか。
という事は天人ではないらしい。
だが、この辺に施設なんてない。
ますます混乱していると、玄関の扉が開く音がした。