ねがいぼし

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「おはようございまーす。銀さん、神楽ちゃん、起きてくださ…」


あーあ新八に見つかっちまった。
腕の中では空がまだ泣きそうな顔で俺の腕の中にいる。



「何やってんだァァァ!銀さん、あんたそんな小さな女の子、どっから誘拐して来たんですか?!」

「うっせぇ。誰が誘拐だコノヤロー。朝起きたらいたんだよ」

「朝起きたらってなに分かりきった嘘ついてんですか?!」

「朝からうるさいヨ、ダメガネ。」


そこに目をこすりながら神楽が起きてきた。
まためんどくさくなるな。


「あ!神楽ちゃん!銀さんが女の子誘拐して来たんだよ!」

「だから違うっつてんだろ!」

「まじでか?!銀ちゃん、どういうことか説明するネ!」



こいつらは俺のこと、どんな目で見てやがんだ。


「起きたらいたんだよ。な?」


腕の中にいる空に尋ねると、こくりと頷いた。
あーあー、2人の迫力にすっかり脅えちまってる。


「ほんとアルカ?ていうかめちゃくちゃ可愛いアル!私、神楽言うネ。名前教えるヨロシ。」

「空だよ。」

「銀さん、この子どーするんですか?」



どーすっかなぁ…


「空、かえゆ」

「帰るったって、家分かるアルカ?」

「……」

「住んでた町の名前だけでも分からない?」

「……」

「どうやって帰るネ?」

「……」

「はいはい、ちょっとストップ」


目に涙を溜めているのを見て焦ってとめた。


「とりあえず朝飯食うぞ。空も腹減ってるだろ?」

「しゅいた!」

「よし!新八、早く飯作れ!」

「じゃあ、ちょっと待ってて下さいね。」



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