ねがいぼし
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「定春、ご飯ヨー」
全員が朝ご飯を食べ終わった頃、神楽が餌を持って移動する。
空は銀時の膝から降り、それを追った。
しかし定春の姿を見つけると、一定の間隔をあけ、ピタッと止まる。
「空、これ定春いうネ。もっと近づいて見るヨロシ。」
「や。」
定春の大きさに戸惑っているのか首を振り、それ以上近付こうとしない。
「おい、神楽。定春、噛みつかせんじゃねーぞ」
「定春は女の子にはそんな事しないアル。噛みつくのはムサい男共だけネ。」
あっけらかんと言い放つ神楽に銀時はため息をつく。
すると丁度餌を食べ終わった定春が空を見つけ立ち上がった。
伏せていただけでも大きかったのに、立ち上がり更に大きくなった定春に空は体をびくりとさせた。
「定春、新しい仲間ネ!」
「ワン!」
大きな体で大きく吠えた定春に、空はとうとう泣き出した。
「うわぁぁぁん、いやぁぁぁぁ!」
泣きながら銀時の方へと走っていく。
銀時は苦笑しながら空を抱き上げた。
「うっうぅ、わんわんこわいぃ!」
「定春は体はでけぇが、噛みつかれない限りは怖くねぇよ」
「やらぁぁ、こわいぃぃ!」
大丈夫だと落ち着かせようとするが、空は銀時の首にがっしりと掴まり顔も上げない。
仕方なく銀時は空を抱えたまま玄関へ向かう。
「ふっ…うぅ、ひっく」
「神楽、新八。空連れてちょっくら出掛けてくるわ。」
「気を付けて下さいね」
「空に定春は怖くないとこ、しっかり説明するヨロシ」
そして銀時は空と外へ出かけて行った。