ねがいぼし
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ご飯を作り終えた新八は玄関に向かう。
「じゃあ、僕帰りますね」
「ちんぱちばいばい、いただきましゅ!」
しかし、銀時も神楽も空に夢中でこちらを見ようともしない。
空に至っては余程お腹がすいていたのか、新八に声をかけるものの目線はご飯に向けられている。
ため息をつき万事屋を出ていく新八には誰も気付かなかった。
「はむっ」
「うまいか?」
「おいちーね!あーん…はむっ」
「空、よく食べるアルナ」
「腹減ってたんだろ」
銀時の膝の上に座り、どんどん食べていく空。
口の中がなくなれば、すぐに銀時に向かってあーんと口を開ける。
「これで終わりだぞー」
「あーん」
「はい、終わり。」
「ごちしょーしゃま!」
見事にお皿を空にした空はとても満足そうに手を合わせる。
「ぎんちゃ」
「どした?」
「くち」
「あ?」
何が言いたいのか分からず悩んでいると、横から神楽が思い付いたように言った。
「口拭けって言ってるアル」
その言葉通りご飯を食べる時に汚れた口をティッシュで拭いてやると、ありやと!と言って銀時の膝の上から降りた。
「…神楽、お前なんで分かるわけ?」
「母性本能ってやつアルヨ」
「あっそ…」