うさぎの飼い方
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「ここが君の部屋だよ」
「すごいですね」
やま…なんとかさんと言う人が真選組の中を案内してくれ、最後に私にあてられた部屋に連れてきてくれた。
10畳ほどの和室で棚や机など家具もそれなりに揃っている。
一人部屋にしては充分な広さだ。
ちなみに隣は副長さんの部屋らしい。
「何か困ったことがあったらいつでも言ってね」
「ありがとうございます。や、やま…山坂さん?」
「山崎だからね。俺さっき自己紹介したよね?」
「あっすいません山崎さん。なんだかとっても…その…平凡な感じだったので」
「え、なにそれ。地味だって言いたいの?平凡ってそれオブラートに包んだつもりなの?」
「ふふっ、ジミーさんって面白いんですね」
「違う違う!名前変わってるから!君今さらっと人を傷つけてるよ!」
何だか真選組には変わった人がたくさんいる。
こんなたくさんの人の中で私やっていけるのかな…
「ねぇ1つ聞いてもいい?」
山…崎さんの言葉になんですか?と耳を傾ける。
「未兎ちゃんは妖兎族なんだよね?」
「はい、半分だけなんですけどね。」
「妖兎族ってうさぎの耳と赤い目が特徴だって聞いたことがあるんだけど、未兎ちゃんの目は普通の黒なんだね。」
「あぁ、私人間の血の方が強いみたいで、妖兎族の血と言えばこの耳としっぽぐらいなんです」
後ろを向いて丸いしっぽを小さく左右に揺らしてほら、と見せれば山崎さんは何故か顔を真っ赤にしてへぇーと呟いた。
「じゃ、じゃあこれ。これに着替えたら呼んでね。次は女中さん達に紹介するから。」
そう言って渡されたのは、女中の着物。
それを渡すと山崎さんは部屋を出て行った。
真選組に仕返しをしようとやってきた地球で作戦は失敗したものの結果的に良い方へと、とんとんと話が進んでいく。
こんなに順調で良いのかな…
着物に袖を通すと、背筋がしゃんと伸びた。
新しい仕事、頑張らなくちゃ。
「山崎さん、案内お願いします。」
障子を開ければ、山崎さんはうん似合ってると笑ってくれた。