短編
□あなたなしなんてありえない
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「あ、一護!!」
「あ?」
学校の帰り道、後ろを歩いているかと思えばいきなり声を上げた。
自分の名前を呼ばれたはずなのに、振り替えるとこいつの目線は俺ではなく空。
「ほら、一護!!」
「なんだよ?」
「見て!!」
見てんじゃねぇか、と指差す方向を見るが特に何もない。
「ほら、一護の色」
「言葉が足んねぇんだよ。」
確かに太陽は沈みかけていて、空はオレンジ色に染まっていた。
「この太陽が沈むと次は私の色になるでしょ?」
"私の色"と言うのはこいつの一般的な髪、黒色の事を言っているのだろう。
「ということは、一護の後に私。夕焼けの後の夜、つまりは一護がいての私なの。」
あなたなしなんてありえない
(今日も私の世界はあなたがいるから廻ってるのよ)