短編
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「あっ…でそっ…ふぁっ…はっ」
むぎゅ
「きょわあ!ちょっ!一護ぉぉぉー!!」
くしゃみが出るまで後少し。
本当に後少しだった。
なのに隣ではオレンジ頭が、してやったとばかりに笑っていた。
「あんたねぇ!くしゃみが出そうなの分かって、なんで邪魔すんのよ!」
「お前だってこの間俺がくしゃみする直前に、横っ腹に蹴り入れたじゃねぇか。仕返しだ仕返し。鼻つまむぐらいで許してやってんだ、感謝しろ。」
「なっ!その後すぐに出たんだからいいじゃない!あたし今ちょー気持ち悪い!ちょームズムズする!これ無理!どーしてくれんのよー!」
「知るか。そのうち出んだろ。」
「……………」
「…………?」
「…っだぁー!止まっちゃったじゃない!」
「まぁ、そんな時もあんだろ。」
「むかつく。その"まぁ俺には関係ないし?"って顔がすっごくむかつく!」
「まぁ俺には関係ないし?」
「キィィィィー!遊子と夏梨にちくってやる!」
ドアをバンッと勢いよく締めると、その後バタバタと階段を降りていく音が聞こえた。
…かと思えば、またすぐに階段を駆け上がる音。
一体何なんだ
開くであろうドアを見つめていると、予想通りドアが開いた。
そこには勝ち誇った顔の夢子の姿。
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くっしゅん!
(でたぁー!)
(あれだな、お前ってバカだよな)