「ねぇ、こたにーちゃん」

「どうした?」

「こたにーちゃんは、あたしとエリー、どっちが好き?」


突然の質問に思わず体が固まる。
大事な大事な妹はまん丸な愛らしい目を輝かせて聞いてきた。

夢子とエリザベス、どちらが好きかだって?
そんなもの、両方に決まっているではないか!
夢子はもちろん命よりも大切な妹だ。
だが、しかし夢子だと答えれば、エリザベスが悲しんでしまう!
あぁ、一体どうすればいいのだ…!


「あのね」


悩んでいると夢子が口を開いた。


「ぎんちゃんは、パチとグラよりあたしがすきっていってくれたよ」

「なにぃー!?」

「でもね、とーぶんとあたしはきめらんないんだって。いちごぎゅーにゅーはだいじなんだって」


糖分と夢子が選べないだと!?
銀時め、今度説教に行かねばならん!


「でね、ニコチンのおにーちゃんは、あたしよりタバコとマヨネーズがすきなんだって。」


いつのまに真選組と関わりがあったのだ!?


「でも、なにかあったらたすけてくれるって!」


スーパーマンみたいだね、と笑う夢子。
おのれ土方め…許さぬ!


「それから、どえすのおにーちゃんはね」

「まだいるのか。いつどこでそんなに知り合いを増やしてくるのだ…」

「あたしがわんちゃんになったら、いっぱいかわいがってくれるんだって。あたし、わんちゃんになんてなれないのに、へんだねー」

「やめろォォォー!」

「ねぇ、こたにーちゃん。あたし、どうやったらみんなのいちばんになれる?」

「安ずるな!お前は俺の一番だ!やつらなど気にするな!」


他の者に取られてたまるか!
夢子は誰にもやらん!
俺が夢子を幸せにするのだ


「本当?やったぁぁー!あたしもこたにーちゃんが、いちばんだいすきっ!」



なんばーわん!
(いまから、エリーにいってくる!)
(やめてくれぇぇぇー!)



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