君の世界が終わる夜
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暗闇の中、その黒から抜け出すように黒猫が現れた。星がまたたくように、彼の眼はぱちぱちと動く。細い足が前に進んだ。
あの白い老人が屈んでいる。足元にたどり着くと、大きな手で撫でてくれた。
どうだった、と優しく尋ねる。
彼はにゃーと鳴いた。
ごめんね、と老人は答える。声は一回しか出せないんだと、黒猫に言った。
それでも彼はごろごろと喉を鳴らし、金色の目を細めた。
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