ひと味

□関西弁の日
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「次の時間、文化祭で何するか決めるからなぁ。皆それなりに考えといてやー!!」

休み時間、幸昌はクラスに向かって叫んでおいた。
文化祭委員というものになっていたからだ。

それを聞いたさゆは、何気なく言った。

「関西弁かぁ…方言だよね」
「方言だねぇ」

みやのが返事をする。

「関西弁って、関西じゃない人もたまに使ってない?」

「俺は関西人やったでー」
幸昌が入ってきた。

「方言って、そんなに抜けないもんなんだね」
と、大助も横から言う。

「むしろ標準語むずいねん」
「標準なのに」

「語尾がむずいねんなぁ」

「語尾?」

さゆが首をかしげる。

「例えばー…なんか誘う時やな。どこどこ行かん?とか、行かへん?とかって言うんやけど。標準やったら、行かない?やろ?なんかきもいねん」

「ちょっと、きもいはないでしょ」

みやのが呆れた顔で見る。
「だって、男が言うのん、なよなよしてて嫌やわ」

隣で大助がにっこり笑った。

「ごめんねー、きもくて

出た!!
と、皆が思った。

「や、大助は良いねんで。良いねん、さっきの無しな、うん」
と、少し焦り気味に言う。


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