短編

□†Kiss Me…†
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〜劉〜


「―…おや?」


ファントムハイヴ家に来てみると、そこには家女中の彼女の姿。


『あ、劉さん。いらしてたんですね。お久しぶりです。』


我を見つけてペコリと頭を下げる彼女は、服の裾に泡を付けていた。


「洗濯物でもしたのかな?」


我はくすりと笑いながら近寄る…
と、彼女は後ろに後ずさった。

―…両手で口元をガードしながら。


「…なんで口を抑えるんだい?」

『だ、だって、劉さんはすぐにキスしてくるんですもん!』


抑えながらもごもごと喋る彼女。


「ひどいなぁ。そんな事しないよ。」

『しますよ!いつだって劉さんはそう言いながらキスしてくるんですもん。』


う〜ん。
彼女もだんだん勘が良くなってきちゃったなぁ。


『私気付きました。劉さんはキス魔なんです。』


キッと睨みながら言う彼女に笑いが込み上げる
が、ここは我慢。


「キス魔だなんて、そんな事……
…あれ?その右手に付いてるのは何?」

『え?』


自分の右手を見る彼女。

そしてやっと現れた可愛い唇。


「隙あり♪」


ちゅっとリップ音を起てて短いキスをして直ぐさま離した。


『〜〜〜っっ!』


やられたとでも言うような悔しそうにする彼女に我はニヤリと笑った。


「まだまだだねぇ♪」

『このいじめっ子〜!!』




†意地悪キス†

我はね、

好きな子は
いじめちゃうタチなのさ♪


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