短編
□†猫舌と悪魔†
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「それにしても……」
『?』
外の空気に触れてた方が少しだけ痛みが和らぐな〜
なんて考えて、あっかんべーの状態のままの私の思考をセバスチャンさんが遮る。
と、頬を掴んでいた手に少し力を加え、更にセバスチャンさんが上体を反らして私との距離を取る。
まるでちょっと遠くから私を観察するように、じっとりと妖しい瞳で見つめられた。
その行動が不可解すぎて私もセバスチャンさんを見つめ返した。
「赤くて愛らしい舌をちょこっと出して、涙目の上目使いで見つめてくるなんて…けっこうキますね…」
『!?』
何を言ってるんだこの人は!?
《キます》!?
何が来るの!?
てゆうか何でカタカナ!?
なんて考えてる間に近付くセバスチャンさんの顔。
脳内パニック中の私には制御できなかった。
―…ぺろり…
びくんっと私の肩が揺れる。
セバスチャンさんが私の舌を舐めた。
ぺろり、ぺろりと火傷の傷口を舐め取るように。
―…くちゅ……
今度は舌を絡め取られ、そのまま唇も合わさる。
反射的に頭を後ろに下げようとした私をセバスチャンさんの手が後頭部から抑え付ける。
逃げる舌を追いかけては捕まえられ絡められる。
いつしか交わる唾液が火傷した舌に気持ち良くなってきて、私も自ら舌を絡めていた。