八晴小説

□希望の未来
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八雲君が犯人に仕立て上げられたあの鍾乳洞の事件から、5年がたった。

私と石井さんと真琴さん・・・それに後藤さんと英心さん。

皆で八雲君の冤罪をはらした。

でも、後藤さんは懲戒免職で警察を辞めてしまった。

だけど、さすが後藤さん。

清清しい顔をして警察署から出てきた。

それからの5年は長いようで短かった。

その間に、美幸との決着をつけた。

両目の赤い男とも。

美幸は八雲君に勝負をしかけてきたんだ。

それで、八雲君が勝った。

美幸はその事で、自ら死を選んだ。

そして、両目の赤い男と共に消えた。

二人の負けだといって。

私と八雲君は大学を卒業した。

私は結局、教師にはならなかった。

それは、八雲の側に居たいから。

この5年で私は八雲を呼び捨てで呼ぶようになった。

後藤さんは宣言通り、退職直後に探偵社を立ち上げた。

敦子さんが二つ返事で了承したんだ。

そして、お金も出したの。

相当へそくり貯めてたみたい(笑)

心霊関係専門の探偵社。

最初は助手を嫌がっていた八雲だけど、卒業と同時に本格的に助手になった。

観念したのかな?(笑)

私もそこに就職したの。

電話番とスケジュール管理要員として。

パソコンでの調べモノとかもするけどね。

そんなに大きな探偵社とはいえないけど、依頼者も結構来るし、充実した毎日だ。

この5年で依頼者は増えてるんだ。
八雲の目が本物だって、分かってもらえたのと迅速かつ丁寧に事件を調査するのが受けてるらしい。

大学の時の友達とかが、宣伝してくれてるのもあるんだけど。

心霊現象で悩まされてる人の駆け込み寺みたいになってる。

最近では、どっちが助手なのか分からなくなってはいるけど(笑)、今日も二人は依頼者の所に行っている。

心霊現象はそうそう起こるものじゃないから、私は今暇してる。

そういう、穏やかな時間も好きなんだけど。
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