またたび

□初恋
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花も恥らう女子高生。
口を開けば所謂、『恋バナ』。
噂話はお茶のおやつに。
恋の相手に胸を焦がし、相手を焼き尽くさんばかりに熱い視線を送っては切ないため息を落とすもの。



千原岬、16歳。
端正な顔立ちと長く揺れる黒髪は、男子諸君の目に留まる。

しかしながら当の本人は、全く恋愛に興味がないらしい。

告白されても即答で「ごめんなさい」。
考えてもくれないのでは、散っていった少年たちも報われない。
恋バナのお茶会はひたすら聞き役…というよりは彼女にとって格好の読書タイム。



これは、そんな彼女の小さな世界に訪れた小さな風のお話。



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