小説
□未来に向けて。〜アナタとの思い出〜
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止まない雨は無い、
とか、日はまた昇る、冬もいつか春になる
……そんな前向きな人生を象る言葉なんて、
嘘だと思った。
わたしの心には、
いつも土砂降りの雨が止むことなく続き、
暗闇の中で厳しい寒さに耐え、
決して見ることの無い灯を求めていた。僕の人生なんて、そんなものだ。
どうしようもなく、
救いようの無い命だ……。
そう勝手に決め付けていた。
けれど、
いつの間にか雨は止み、
心の暗闇も次第に明けていき、
ずっと追い求めていた灯もその明るさを取り戻していた。
今ならば、あなたに伝えることが出来る。
……もうあれから一年。
あの日、あれから一年経った。わたしはもう高校三年生になる。