司書教諭の最強説

□長期合宿説明会
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「まず、この長期合同合宿は己の心身を鍛えるのは勿論のこと、他にも他校との交流が目的や。せやから、自分勝手な行動は慎め。それから、他校との交流は積極的にな」

目的を告げると刻は次に大まかな時間割、練習内容、注意事項、必要なモノを紙を広げながら説明していく。
それを幸村達は聞きながら、しおりに記載されていないことをメモしていく。
ただ、切原と丸井は刻の説明を聞いてしおりを眺めるだけだった。

「これで一通りやな。他の細かい所は各自で読むように。質問は早めに。出発の2日前とか前日にせんようにしぃよ。そんなんに対処できひんからな。ええな」

そう言って締めくくれば、幸村達からの質問タイムへと移行していった。
籤はいつからやるのか、食事はどうするのか、部屋のカギは、などなど大きいことから小さいことまで、大量に出てくる。
部屋割の籤は初日の挨拶が終わったのちに食事は初日の昼は各自で弁当を用意、それ以降はバイキング方式、カギはカードキーなどなど、簡単に答えていく。

「ふと、思ったんじゃが、オウちゃんとハルちゃんはどうするんじゃ」
「ああ、多分道化師が見てくれるやろ。もしくは、大阪から後輩が来るやろうし、そっちは任せるつもりや。今は東都と遊びよるから、こっちにはこうへんけどな」
「東都?」
「自分らの先輩や」
「へぇ、そうなんだ。道理で姿を見ないわけだ」

そんな会話をしていると多くの方からギャーと叫ぶ声が聞こえてきた。
それに心当たりのある刻は苦笑い。

「オウちゃんとハルちゃんが東都で遊び始めたみたいやなぁ。生きて帰ってこられるかいなぁ」

そんなことを呟いた瞬間、廊下を走って行く人の姿とそれを追いかける二匹の狐の姿が見えた。
しかし、止まる余裕なんてものは持ち合わせていないらしく、駆け抜けていった。






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