司書教諭の最強説

□部屋決めはくじ引きで
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「先生の部屋ってどこなんスか」
「切原君、教師は1階ですよ」
「まぁ、俺は自分らと同じ区域やけどな」
「確かに教師の人数分の部屋はないな」
「ああ、そうそう。自分らの部屋の場所に名前を書き込むんは当たり前やけど、他の部屋のも書きよ」

しおりを出して、眺めていた切原たちに思い出したように刻はそう指示をする。
だが、切原や丸井、仁王あたりはそれがめんどくさいというような雰囲気を醸し出す。
それに刻は小さく溜息。
とはいえ、それを聞いた丸井や切原は怒られると思い、ビクッと体を硬直された。

「覚えられるんやったら書かんでもええよ。ただ、今書き込んでもらってる紙は榊先生の部屋で管理してもらうことになるから、俺に聞いたって知らへんで」
「……しょーがなか」

遠回しに教えないと言う時に仁王は肩を竦ませ、筆記用具を取り出した。
丸井や切原も互いの顔を見合わせるといそいそと筆箱を取り出す。
その二人の心意は恐らく、何かあった時の為、刻の部屋を知っておこうと言う様なものであろう。
しかし、それでもきちんと書きとる形を取った三人に刻は安心したように笑みを浮かべた。

「結果を待つだけってのは案外、暇なんよな」
「ゲームとかしちゃダメッスか?」
「赤也!貴様と言うヤツは」
「ダメや。部屋が決まった後とか自由時間にするんやったら別にかまわんけど」

ゲームの話を取り上げられ、笑顔な切原だったが、真田に叱られ、シュンと肩を落とす。
それに苦笑いを浮かべつつ、切原を慰める。
自由時間ならと言われ、切原は再び笑顔を浮かべるが、真田は些かそれが気に食わないらしく、刻に抗議をする。
それは真田だからかもしれないと全員、思うものの口に出さないのもまた真田のことだから。





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