デュラララ

□それが日常
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「静雄、朝だぞ。起きろー」

広いベッドの中、うーんと唸る。
通常の奴なら、ここで起こすのをやめるだろーな。
まあ、「池袋最強」の名をもつ奴だから仕方ねーんだけどさ。
とりあえず、これから仕事があるわけで、起こさないと始まらないわけ。
あ、俺のことは気にするな。
すぐにわかるだろーし。
今は自己紹介よりも先に静雄を起こすのが大事だから。
さて、今日も頑張って避けます、ベッドの隣にある棚を。

「あっれー、シズちゃんまだ寝てるの?ダメだねーそんなんじゃ」
「――臨也ぁあああ!!」

ガシャーンと派手な音。
とりま、俺は避けられた=生きてる。
ちなみにさっきのは俺のモノマネ。
でもね、このモノマネで起きられると俺は嫌なわけ。
嫉妬……何だろうけどさ。

「おはよう、静雄。早くしないとトムさんに迷惑かけるから、着替えなよ」
「……あ、ああ」

声のした先に臨也がいなくて、意味がわからない静雄。
そんな静雄に着替えを促せば、頷いて着替えを始める。
だけど、途中で大きな溜息。

「静雄、どうかした?」
「晋仁、お前、アイツの真似しただろ」
「あ、わかった?」
「するなって、言ってんだろーが。怪我したら、どうするつもりなんだ」

声をかければそんなこと。
ちなみに俺は晋仁ね。
わかってもらえたよな。

「怪我しないよ。慣れたから」
「はぁ、慣れたと言っても、怪我する場合があるだろうが」

着替え終わった静雄は呆れ混じりにそういいながら、俺の頭を撫でた。
全く、同級生だってのにそれが嬉しいだなんて……。
ああ、惚れた弱みなのかもしれない。




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