復活小説

□追悼の言葉
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「骸」
「何ですか?」
「何故、君は此処に居るの?」
「何故って…、君の恋人だからでしょう?」
「違うよ、そういう意味じゃない」
「じゃあ何ですか?」
「君は今、長期任務でイタリアに居る筈だ」
「………」
「その君が何で此処、日本に居るの?」
「………」
「………」
「ごめんなさい」
「骸…?」
「ごめんなさい、恭弥」
「何で謝るのさ」
「僕、恭弥に挨拶しに来たんです」
「挨拶?」
「そうです。……お別れの挨拶をしに…」
「つまらない冗談はよしなよ」
「…僕…任務中に敵に撃たれて死んでしまいました…」
「ちょっと、くだらない事言ってると咬み殺すよ」
「本当なんです」
「………」
「だから最後に恭弥に逢いたくて、お別れを言いに来たんです」
「………」
「恭弥…?」
「許さない」
「え…?」
「君が僕より先に逝くなんて絶対許さない」
「恭弥…」
「何で…何で生きて帰って来なかったのさ」
「………」
「約束したじゃないか…、必ず生きて帰って来るって…」
「泣かないで下さい、恭弥…」
「泣いてなんか…っ!」
「恭弥、もう一度…もう一度だけ約束をさせて下さい」
「………」
「僕は来世でも必ず君と出逢う。そして君だけを愛します」
「そんな来世なんて分からないじゃないか!」
「いいえ、必ず君と出逢います。信じて下さい、恭弥」
「………」
「僕のこの忌ま忌ましい六道眼には六道輪廻が刻まれています。僕は何度輪廻を巡っても必ず君と出逢う」
「…約束」
「…?」
「今度こそ約束だよ、絶対」
「ええ、勿論です」
「愛してるよ、骸」
「僕も愛しています、恭弥。何よりも誰よりも君だけを…」
「骸…」
「Arrivederci、恭弥」





追悼の言葉
(もう君を離さない!)



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