#3!
□C
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「Because Of You」
「―――じゃ、遅いので、もう、帰りますね」
――もう、俺から、離れたいんだ、な?
今までずっと、平気だった筈の、「ヒトリ」が、
今はもう、嫌で、堪らないんだ。
―――立ち上がろうとする、君の手を、掴んで、
「―――待って、もうちょっと……」
―――沈黙、手は握ったまま。
「―――どうしたんですか、秋山さん?」
―――何時もなら、巧く、廻る、アタマから、言葉が出なくて、
こうやって、引き留めるしか、出来なくなってる。
「………あきやま、さん?」
―――困ったカオ、させて、不甲斐ない、な。
………こんな、不器用な自分に、なってしまったのは、
君に溺れた、所為、なんだって、惚れてるんだって、もう、とっくに、わかってんだ、けど、
「………今日は、帰るな、よ。」
――――構わない。
この先、君をこうして、抱き締められるなら、
どんなに、俺を狂わせても、全部、君の所為で、構わないん、だから―――
抱きしめた腕の片方の手で、部屋を闇に変えて、
今夜を、長い、夜に、するんだ―――
#だから、君を、抱く。