薔薇ばら
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―――僕を、見つめるその瞳、口唇から零れる、甘い声、
言葉は、棘があるけど、時折、見せる、ふわりとした、笑顔は、
………まるで、薔薇の様だと、うっとりとした口調で、
―――花屋は、彼女の事を、想う、言葉を、零す。
………アンタはまだ、彼女の真実を、知らないから、
―――本当は、盲目なんかじゃないんだって、
………分かってないから、そんな、綺麗事を言ってられるんだ。
綺麗な、薔薇こそ、鋭い棘が、あるから、
隠された、真実を知れば、痛んでしまうに、決まってる。
――――だから、そんな、顔をして、人を想うなんて、
………馬鹿、なんだよ。
(―――人を想う事をいつからか忘れてしまった、俺は、もう、こんな風にしか、生きられないんだ。こんな俺に、誰か、どうか、ください。)
「アイヲ、クダサイ」