薔薇ばら

□#2
1ページ/1ページ







―――僕を、見つめるその瞳、口唇から零れる、甘い声、




言葉は、棘があるけど、時折、見せる、ふわりとした、笑顔は、




………まるで、薔薇の様だと、うっとりとした口調で、




―――花屋は、彼女の事を、想う、言葉を、零す。





………アンタはまだ、彼女の真実を、知らないから、




―――本当は、盲目なんかじゃないんだって、




………分かってないから、そんな、綺麗事を言ってられるんだ。




綺麗な、薔薇こそ、鋭い棘が、あるから、




隠された、真実を知れば、痛んでしまうに、決まってる。




――――だから、そんな、顔をして、人を想うなんて、





………馬鹿、なんだよ。






(―――人を想う事をいつからか忘れてしまった、俺は、もう、こんな風にしか、生きられないんだ。こんな俺に、誰か、どうか、ください。)






「アイヲ、クダサイ」








[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ