薔薇ばら
□#3
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――――人なんか、どうせ、最後に裏切る、イキモノ。
そんなモノ、「信じて」はいけないと、いつからか、
「信じて」生きてきた、けど、
―――今、俺の、一番近くの、存在、カンザキナオという、娘が、
―――どんな時でも、人を信じてしまう、娘なんだって、わかったのは、彼女がこれまで、人にいいように騙され、泣かされてきたハナシを聞いたから。
――――ヒトを、「信じる」なんて、馬鹿げてる、
………そうとしか、思えない、俺だったから、
そんな、彼女を、理解、し難くて、
――――俺は、潜り込んでる花屋の、オトコに、
「俺は人を信じた事がない」
そう零して、初めて、俺は、まだ、彼女でさえ、「信じられていない」のに、気付いて、
―――何の偽りも無い笑顔で、俺を見つめた彼女を思い出した、瞬間、
傷口から、血が染み渡っていく様に、罪悪感が、胸一杯に拡がっていくのを感じてしまったんだ。
なんで、俺は、今、一番に想う、君でさえ――――
そう、投げた言葉の、花屋の応え、
「――――なら、一度、誰かを信じろよ」
―――そうか、そうなんだ。
今までは、「信じられない自分」なら、
これから、「信じて」みれば、いい。
そう、だから、先ずは、目の前に居る、この男を―――
「………俺は、アニキを、信じます」
―――次は、最愛の、君を、
君みたいに、誰もを、信じられなくても、
きっと、真正面から、君と、人と、向き合える、自分になれる筈、だから――――
「ノットビリーブ→ビリーブユー」
#ホントはナイーブなヤツ、なのかも。ナオヤは。