#5
□甘い香り
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#2
―――卵が、割れる、油に跳ねる、熱の所為で、塊に変わって。
リズミカルに、作っていく。
ワタシ流のコツを教えながら、一緒に作ってくのが、楽しい。
何でも出来そうなのに、料理は、お手上げなのが意外で、
彼の、違う一面を見れた気がして、また、嬉しくなった。
目玉焼だけじゃなく、ソーセージとサラダを付けて。
もう、そろそろ、終盤。
「――じゃ、最後に、コレを、載せて……出来上がりです。」
「こんな感じでいい?」
「……うーん、もうちょっとこんもり盛った方が、キレイかも。」
「あ、そっか、成る程、コレはこうやんだな……」
――ぶつぶつ、言いながらも、真剣に取り組むトコが、
格好良くて、つい見惚れてしまって……
ぼうっと、暫く見つめてたら、
「………何、見てんの?」
―――気付き、慌てる、
「ううん、何でもない」
――何かに気付いて、彼の口角が上がる。
「……カオ、紅いけど?」
――彼の顔が、段々、近づいてく。
「え、紅くなんか……」
―――もっと、近く、なる。
「……もう、こんな、真っ赤だけど?」
――手の平で、頬を包まれ、もっと、アツくなって、上がる心泊数。
この後、起こりそうなコト、カンタンに想像出来てしまって、
「焦げちゃいますよ、卵焼き……」
………逃げ、のコトバを紡いでも、
―――彼の、想定の、範囲内。
もう一度、笑って、彼は、
「……火、消したから、大丈夫だよ。」
―――視界の隅には、形よく美味しそうに出来た、
――殆ど、彼手製の目玉焼き、
………放つ、香り、熱、
彼の手に掛かるモノだから、
―――魅かれるの。
………けど、此処に居る、目の前の、彼の、方が、
――甘い、香り、もっと、欲しい。
――口唇まで、後、2センチ。
もう待てない、と言わんばかりに、
ワタシから、食らい付くように、口唇を奪う、
―――表面を、堪能すれば、今度はナカへ。
キオクに、ずっと、刻み付けられる位、味わいたい。
――モット、欲しいから、抱きついて、
……離さない、離したくない。
脳髄が、とろける程、どこまでも甘く、濃く、
それが、何よりも、御馳走、だから、
………もっと、味わわせて、頂戴?
#アナタが、一番格別。
#理恵さん、キリリクお待たせしてしまいすいませんm(__)m
ほのぼの、まったり、甘め秋直、こんな感じで、どうでしょうか?
これからもよろしくお願いいたします★