Season#2
□「It is NEVER」
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#1
「――――秋山さん!」
あの時から、二年ぶりに聞く、君の甘く低く、俺の心を揺さぶるその声、
………少しはにかんで、俺を見つめるその笑顔、全く何も変わってなくて、
三回戦が終わって、君との別れがただ怖くて、何度も君を求め、抱いたのに、
――――抱けば抱く程、体は、心は君をますます求めるばかりで、
これ以上、君を縛り付けたくない、そう思って、簡単に手放してしまったんだ
………こんな勝手な理由、ヒドい男だと蔑まれても当たり前なのに、
君は、涙も見せず、ただ笑って、サヨナラを受け入れたんだ―――
君と別れてから、大きく開いてしまった、心の風穴、塞ぐ事は出来なくて、
―――どうして、手放して、しまった?
理由を見つけられるワケもないまま、二年という途轍もなく長い空白の時間を、
………ただ、意味も無く過ごしていたのに、
―――今、君に会った、この瞬間、
あの時の俺に、
――――君を強く想っていた、あの時の俺に、
戻ったんだって、そう、はっきり感じたんだ―――――