#3!
□C
2ページ/7ページ
「伝えたい事」
―――この胸の中に棲む、モヤモヤとした、モノの正体に気付いたのは、さっき君が堪えてただろう涙を俺の目の前で零した所為。
何度、目にしても、一向に、慣れなくて、一番、俺を、焦らせる、威力をもつ。
―――彼女が、恋人になってから、結構、時が経つにつれ、
芽生えてた、ある感情の正体に、気付かない、ままだったのに、
………なんだよ、やっぱり、そうだったのかと、突然の、確信。
――あぁ、もう、あまりに鈍い俺、腹が立つ。
―――これじゃあ、君を、好きだと、気付いたあの時と、同じじゃないか、と。
―――あー、もう、そんな、堪えるような、泣き方するなよ?
今、気付いた、キモチの「正体」、ちゃんと、君に伝えないと、いけないんだから。
―――なぁ、直、もう、そんな、泣くなよ?
―――だ、だって、しんいちさ……
……ひっ、だ、だって恋人が、あんな風に、死んじゃうなんて―――
―――彼女が見てた、ドラマが、悲恋に終わってしまって、
………それが、彼女の涙腺に、ジャストミート、したから、こんな、泣いてるワケで。
――でも、この感情に気付いたら、すぐに言わないと、真実味、無くしてしまうから、
ソファで涙を止められないでいる、彼女の直ぐ横に、腰を下ろして。
―――ね、直、こっち向いて?
―――黙ってしまってるけど、瞳は、ちゃんと、こちらに向ける、彼女。
―――な、あんな、結末、嫌だった?
―――うん、もし、これが、自分、だって、って思ったら……
………直、俺は、そうならない様に、これから、ずっと傍に、居るから。
―――ずっと?
―――そう、だから、
………期限は、なしで、な?
―――彼女の、驚いた瞳、開き切る前に、
―――抱く。
―――今夜は、その決意、を君に示したいから、
いつも以上に、忘れられない、夜に、してやる、よ。
もう、悲しい涙は、流させない、今日、君を、
……一生、愛す、って、決めたから。
#確信すれば、もう、揺るがない、想い。