がんぜなき陰陽師 短編2
□拍手お礼文倉庫6
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※現パロです
青紅
雪がやまない。見上げた空が真っ白に染まっていて、空が見えにくかった。
「寒い……」
きつく自分を抱きしめて、街灯の下で空を仰ぐ。
明かりの消えた古びたそれには、少し錆が浮いていた。
愛とか恋とか、いまいち良くわからない。
大体この年じゃ、本当のそれなんか知っている人間の方が少ないだろう。
ふと視線を下ろせば、いつの間にか傍にいる青い男。
「遅い」
「この雪で電車が遅れた」
謝りもしない青龍に、紅蓮は溜め息を吐いた。
「お前がそんなんじゃ、ひっかけにでもいくかな」
「どっちだ」
「男」
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